日本のBlack Face

メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 (有斐閣アルマ)

メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 (有斐閣アルマ)

吉見先生の本。
マクルーハン、エイゼンスタイン、ベンヤミンアドルノからマス・コミュニケーション理論、カルチュラル・スタディーズまでメディア論の歴史をまとめた第1節
・電話、テレビ、ラジオ、新聞といった今日われわれが日常で接するメディアがいかにして構築されたかを論じた第2節
・ケータイ電話、グローバルメディア、市民活動、メディア・リテラシーなどメディア実践を論じた第3節
という構成から成ります。
体系的だしわかりやすいんだけど、教科書だからか中身が浅すぎて求めていたのとは違うかな。

ラジオはもともと都市の中産階級のリスナーを対象にしていたが、放送メディアとしての全国化していった。
これにより、1920年代後半には中西部の農村のリスナーからの支持を得てカントリー・ミュージックの人気が高まる。
というくだりが唯一気になった。

細川周平さんの「あいまいな日本の黒人―大衆音楽と人種的腹話術」という論文が読みたくてそれだけ読む。
日本における黒人文化の受容をブルース、ドゥワップ、ラップの3事例を通して論じています。

日本におけるblack faceの初めての例であるシャネルズについては知らなかったです。。田代まさしラッツ&スターの前進バンドだそう。

もちろんアンビバレントな反応を引き起こしたそうです。NHK紅白歌合戦アメリカで放送する際に彼らの出ている箇所を自己検閲したそうです。

あと最新のミンストレル研究についてはラモン・ジュニア、エリック・ロットあたりの文献が最重要だということが再確認できました。
翻訳で出して欲しいです。